ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?

君は小さくて美しいものに目を留める。写真に収めたり絵に描いたりして、大切に守る。弱音を吐かず、静かに人を許すことができる。


君のそばにいるようになって、僕は、彼が君に見ていたものをようやく知ったと喜んだ。




君と付き合うようになって、僕はおんなっぽいとかおかまとか言われることがなくなり、周りの男の子たちと対等な距離感を保つことができるようになった。


ファッションへの興味も、君や君の友達との買い物で満たされるようになった。女子からの告白は、君がいるからの一言で全て解決した。


君をいつまでも付き合わせていてはいけないことが本当はわかっていたけれど、君の優しさに甘えた。




君は女子といても楽しそうにしているけれど、いつもどこか距離を置いている。


仲良くしている女友達はいても、ずっと僕が一番君の近くにいる親友だと自惚れてもいた。


中学の時の出来事で裏表のある女子達の態度に懲りたのだろうと思いこんでいた。僕のせいだなんて、考えたことがなかった。

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