ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?

こっそり会いに行った守くんは、あっけにとられながらも「そういうことなのか」と納得してくれた。平謝りに謝った僕を「まぁ別に姉ちゃんに何したわけでもないし、俺に謝られても」と許してくれた。


東城くんが「そういうわけで結衣が必死に隠してるから、守も付き合ってくれ。知ってんの俺とお前とあいつだけ」とさっぱりと、でも有無を言わせない口調で告げた。


「なんか変だなとはずっと思ってたんですよ。先輩に振られてやけになって付き合ったんだと思ったら意外と続くし」

「あ、それも。こないだ言わなかったか? 俺元々つきあってないよ、あいつと」

「でも姉ちゃんは惚れてましたよね。純くんとはそういう感じでもないなとは思ってて」


東城くんは何も言わなかったけど、喜んでいいのか迷っているように見えた。


「そういえば、東城先輩には昔から好きな子いるとか言ってましたね、こないだ。その人も帰ってきたからなんとかとか」


守くんの言葉に何も返さず、でも今度はたぶん驚いている。




美術の春山先生を好きだったというのは本当で、君がそう言ったのだろうけど。


でも君は東城くんが他の女子と話してる時こっそり気にしていたし、彼がイライラしてる日にはあえてからかって笑わせたりして、本当に彼をよく見ていた。


君たちをずっと見ていた僕が言うんだから間違いない。
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