ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
「一つずつ、僕も本当のことを話して行けたらいいなと思って。家族だから」
「うん」
君は多くを語らず、でも、喜んでくれているのがわかった。
「というわけで、今日はもう行くね。結衣の部屋に入ったなんてきっと東城くんに怒られるから、次はまた買い物にでも行こう」
「なんでシゲに怒られるの」
「今後結衣に絶対触るなとか、結構きつく言われてるんだよね。独占欲が強そうだね、彼」
君は困ったような顔をして「そういう意味じゃないと思うよ」と呟く。
「本当のことが分かったんだし、彼のほうから何か言ってくると思うよ。もう僕のことは気にしないでいいから」
「純、話したいことがあったんだけど」
「今度聞くよ。今日もまた親と話すつもりなんだ。もう少し説得しようと思って」
そう言って、君と君の部屋に別れを告げた。
次に会うときは、きっとのろけを聞くことになるだろう。二人が仲良くしているのを見るのは、きっととても嬉しくて、でも少しだけ胸が痛むかもしれない。
いつか、僕にも君たちのような絆で結ばれた相手ができるかな。もっと、強く優しくなれたら。君や彼のように。
結衣。僕は今も全然いい人間じゃないけど、君が望んでくれる限り、いつまででも君のそばにいる。
僕のたった一人の親友を、いつまでも愛してる。