ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
病院までのバスでは二人掛けの席に座れた。空いてて聞かれてないことを確認してから話題にする。私たちがついていた嘘を『そんなこと』って言ったこと。
「ねえ、純のことって隠す必要なかったと思ってる? 春ちゃんのことも」
「本人たちにとっては大問題なんじゃないの。偏見あるだろうし、古瀬の親はうるさいらしいし、必死で隠してる気持ちはわかんなくないよ」
気軽な様子で答えた後、シゲが付け足して言う。
「ただ、結衣が無事なら、俺にはどうでもいいってだけ」
「シゲが心配するようなこと、私何か言った?」
何か怪しまれてるのは感じてたけど、何が決め手なのかいまだにわからない。
「自覚なさそうだけど、お前現在形で今付き合ってるみたいに話すんだよ、あいつの話」
「そうかな」
「かと思えば尚人に静岡来たって話してるしな。いろいろ意味がわからなかった」
尚人くんから聞いたの? やっぱり口軽い! 言わないでって言ったのに。シゲが悪いわけじゃないけど、思わずとがめるように目を向けたら、バツが悪そうに説明される。
「結構すぐ聞いた、口止めされたってのも。十月一日って結衣の誕生日だろ。古瀬じゃなくて守と来たんだって?」
守もか。あいつは、またいろんなことをペラペラとしゃべって。