ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
「そもそも一人で頑張ってるのが悪いんだよ。少しは頼ってみるとかしろよ」
偉そうに言われるけど、シゲだって一人で頑張ってたの知ってるよ。
「じゃあ、シゲも私を頼ってくれる? してほしいことある?」
「あるよ」
なによ。いばられないように、目に力を入れて見返す。自分のことあんまり言わないくせに。
「俺のそばにいて。他の奴じゃなくて俺を見てて」
まっすぐに迷わずに答えが来て、心臓が止まるかもって思った。
ずるいよ、そういうの。そんなの、とっくに見てるよ。
頭が真っ白になった。なんの話だったっけ。そう思ってるうちに笑って聞かれる。
「次は結衣の番。一人じゃ怖いんだろ?」
「……春ちゃんに会うの少し怖いから、一緒に来て」
怒ったような言い方になったのに「よくできました」とまた手を取り玄関のほうに歩き出す。
なんでそんなに偉そうなの!
ねえ、今のってどういう意味? 告白だと思っちゃうよ、あんなふうにまっすぐ言われたら。わかってる?