ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?


「じゃ、仲直りってことで、座ろっか」

尚人くんに軽く肩を抱かれて、方向転換させられる。


ゆったりした話し方に騙されそうだけど、この人結構遊んでるタイプの人なのかもしれない。


春ちゃんの人懐っこさともちょっと違う、女の子の扱いに慣れた動きだって、今わかった。



誘われても、今日は帰ることにした。さすがにいきなり知らない人たちの中でシゲと楽しく会話できるとは思えない。


たぶん、向こうもそう思ってる。


平井さんと綾さんは、私たちのやり取りがおかしかったらしく、笑いをかみ殺していた。


勝手に後でからかわれてればいい。



「元カノ? 」「違いますよ」「怪しいなぁ」


そんな会話が聞こえるような気がした。


考えることなんてみんな同じだ。男と女がいたら付き合うか振られるか。友達なんてありえないと思ってる。


残念でした。元カノでもなんでもない、ただの友達ですよ。しかも自惚れてた程大事にも思われてなかった昔の友達。
< 26 / 207 >

この作品をシェア

pagetop