ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
二学期になったら、さすがに受験生として学校の雰囲気が変わってくるだろうと、俺たちも意識していた。
結衣も俺も、成績も素行もそれなりによくて狙ってる高校は一緒だってわかってた。
「大丈夫だと、いいね」
帰り際に、ぽつりと結衣が言った。さっきの話か。今さらいきなり言うなよ。
こいつといると、時間の感覚がおかしくなる。
黙っててしゃべんないせいで時間が止まったような気がするときがあるのに、ダラダラ話してただけで帰んないとまずい時間に急になってるときもある。
調子狂うんだよ、結衣といると。
「まだ、誰にも言うなよ」
怒ったような口調になったけど、結衣は生真面目にうなずいた。
だから、じっと見るなって言ってんだろ。いや、言ってはないか。