ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
尚人くんを誘った覚えはないんだけど、当たり前みたいについてきた。まあいいか。この人は社交的な感じがするから助かりそうだ。


「その愛華ちゃんて子はクラスのボスみたいな子なの?」

「クラスっていうか地元の顔役かな。愛華に内緒にしてたとか思われるとちょっとまずいかなって」

「女の子ってすごいよね、そういうの」


そうそう。そういうの鋭そうだな、尚人くんて。お姉さんとかいるのかもしれない。


「俺が結衣に会うのに、なんで井上愛華の許可がいるんだよ」


シゲが不機嫌に割り込んでくる。こっちは鈍そう。


「別にシゲは誰に会ってもいいんだよ」


訂正するけど意味が伝わってないみたい。目を細めて、相変わらずの気に入らなさそうな顔をする。


「私は、発見したお宝を共有しないといけないの」

「意味ないよな、そういうの」


お宝本人は嫌がってるけど、今日は付き合ってもらう約束だ。




シゲの近況とかはあえて聞かないようにしておいた。先に色々知ってると愛華に思われたくない。


すぐに改札から甲高い声が聞こえてきた。


「きゃー、東城くんだ!久しぶりー!」


よし、気合いをいれて乗り切ろう。

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