ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい？
「かっこよくなったでしょ、古瀬くん。高校でもすごいモテてたんだよ。ね、結衣子」


愛華が私に話を振ってくる。


「そうだね。イケメンて言われてたね」

「みんな同じ高校なの？」


微妙な雰囲気に気づいたのか、尚人くんが聞いてくる。


「そうなの。結衣子と古瀬くんは大山高のベストカップルって言われてたの。お似合いでしょ？」


にこにこと愛華が隣の私たちを指差す。


あーあ、それが言いたくて呼んだんだよね、純を。しかも私と純が春に別れたのを知ってて、わざと。


「付き合ってるんだ？」

「でももう別れたんだよ」

尚人くんが驚きを隠さず聞いたのに、純がすごい勢いで答える。落ち着いてよ、純。


「中学の時からだからもうずっと続くのかと思ってたのに、みんなびっくりしてたよね。私もすごい残念だったけど、今でも仲良いんだよね」


愛華がまたアピールする。「東城くんがいなくなった途端に乗り換えたんだよ」ってほんとは言いたいんだ。



面倒だなぁ。


シゲは何とも思わないだろうけど、確かに私はちょっと後ろめたい。純をシゲの代わりのポジションにして、いつも一緒にいたことは間違いない。


愛華をちょっと見るけど、労わるような優しげな微笑みを返された。


「複雑だよね、わかるよ」とでも言いそう。あんたが複雑にしてるんだよね？


敵わないなぁ、愛華には。

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