ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
まあいいや。
シゲと今更どうにかなろうなんて思ってないから、別に平気。
「この人は尚人くん。シゲの高校の親友だって。春ちゃんに似てるでしょ」
私の正面に座った尚人くんを指して、話題を変えてみる。ちゃんと乗ってよ、と純に目配せした。
「春山先生? 確かに似てるね。うーん、髪形のせいかな」
純がなんとか話を合わせようとする。
「あ、これ? 天然だよ」
尚人くんが自分のくるくるした髪をつまむ。
「春ちゃんって美術の先生?シゲに聞いたことあるなぁ」
「そういう天パで、静岡県民なの。なんとなく雰囲気も似てるよ」
「じゃあ俺も結衣ちゃんのタイプ?」
「春ちゃんは女好きオーラ出してないかな」
「え、俺出てる? どこから?」
「出てるよねぇ、愛華」
愛華も交えて、なんとなく場を持たせる。とにかく二時間くらい、なんとかすればいいんだから。
頑張れ、私。ここは乗り切れ。
ろくに話さないシゲと純を適当に巻き込みつつ、無事にプチ同窓会は進んでいった。