ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?


今日は雨降りそうだな、と目が覚めたばかりのベッドから手を伸ばして部屋の窓を開けてみる。湿気が強い。


シゲは愛華を家まで送って行ったかな。




シゲの連絡先もわかったけど、今さらって言われてるし、1回会っただけで満足するべきだよね。


元気そうだった。大人になっていた。


わだかまりなく、友達みたいに話してくれた。




私は会えて嬉しかったけど。


いなくなってすぐに純と付き合いだしたって思われただけだった。


あーあ。






新しいバイトでも探そうかとベッドに転がったままスマホを手にした。


あれ、何件か着信入ってる。気づかなかった。純と愛華にすぐ返信して、残ったのが尚人くん。


【自転車塗ってあげるから今日もおいでよ】

あの夜空みたいな色の自転車か。変な誘い。

【雨が降りそうだから遠慮しとく】

【じゃあ明日ね。用意しとくから、午前中に来て】


気を遣ってるのかな、彼なりに。シゲは友達に会いたがってると言ってたもんね。でも本人はなんにも言ってこないのにね。



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