ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
守は高二でそろそろ進路を考える時期でもあり、結構悩んでいる様子だ。


お父さんは私には絶対手伝わせない、守には手伝って欲しい、と勝手な夢を描いている。でも、例えばドラマを見てても、お父さんと私は町工場の反撃に涙を流したりするけど、守は銀行員や弁護士の活躍のほうが好きだ。


小さな会社に縛られて暮らし、兄弟で揉めるなんて最低だと思っているらしい。でも期待をはねつけるほどの夢とか何かを持っているわけでもない。


シゲと話してみたらどうかなって少し考える。生い立ちの面でも割とまじめでまっすぐなところも、似てる気がするから相談に乗ってくれそう。


でもなぁ。守はまだシゲのことを怒っているらしいので言えないな。





さて、お父さんをなだめに行くか。


お父さんは守には手を挙げるけど、私にはやらない。とばっちりで私に当たったりすると途端に大人しくなる。


だから私が入った方がその場は丸く収まるけど、期待されてる守のことがちょっと羨ましくもなる。


そんな風に思ってるのも、内緒。
< 90 / 207 >

この作品をシェア

pagetop