ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
ドタキャンした埋め合わせで、純におごる約束をした。
どちらも休みの日だけど、家から遠い場所を選んで待ち合わせた。なるべく知り合いに会わないようにって二人とも考えてる。確かに、その時点で普通の友達じゃないのか、とシゲに言われたことを思い出す。
少し久しぶりだったから、お互いのことをいろいろ報告し合う。私の方は、料理ちょっとできるようになったとか、壁画を描いたとか、そんな話。
純はさりげない振りをしながらも、シゲのことばかり聞きたがる。「それで東城くんはなんて言ったの?」とか「その作家さんとはどこで知り合ったのかな」とか。
純が今もこんなにシゲを好きなんだって初めて気づいて、私は正直言って驚いていた。
高校時代「あの人かっこいい」とかって話はよく二人でしたけど、こういう風に純が恋をしていると感じたことはなかった。
ゲイっていうけど、もしかして大人になれば女子とも恋愛ができるのかなと勝手なことを思ってたかもしれない、私は。
でも、違うんだ。
隠そうとしても隠せないくらい、シゲを想ってるんだ、純は今も。