ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?


その午後、権利関係がどうのっていう話を綾さんがし始めて、一番奥にあるPCで法律関係を調べながら話した。


今後も石川さんと色々やるなら一度法律系のプロに相談する必要がありそうだという。会社って社員以外の人がこんなに関わるものなんだと私はここで働くようになって知った。


守も資格を取って中小企業のサポートとかやったらどうだろうと思う。でもあいつ、もっと華やかな世界に憧れてるのかもしれないな。




「でも、結衣ちゃんはどうなのかな」


画面をスクロールさせながら、綾さんがなんのことかわからない質問をする。考え事していてよく聞いてなかった。


「私は高広をサポートするの好きだけど、仕事とプライベートは分けたいってこともあるかなと思って」


仕事とプライベート?


「あー、でも結衣ちゃんがクリエイター側だったら、サポートするのはシゲなのか」


えーと、私がシゲと仕事一緒にやりたいかってこと? ていうか平井さんと綾さんみたいな関係じゃないし!


しかもクリエイターって。あの時ちょっと関わっただけで、基本は雑用係なんだけど私は。誰かに聞かれたら恥ずかしすぎる。

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