イビツな花火〜my story〜
小さな公園だからそんなに距離はないはずなのに…
智也とゆうがとても遠くに感じる。



たたずむわたしのすぐ後ろで
ベンチに座りうずくまるりゅうって人。



気まずい。
2人のとこへ行こうか…
それとも何か話しかけようか…
何を話す?初対面だし、自己紹介とかしてみる?趣味とか聞く?いやいや、お見合いじゃあるまいし…



一秒がとんでもなく長く感じる。
ボーッと立ってるだけに見えてると思うけど、頭の中は巨大な竜巻がやってきたみたいにフル回転。





「寒くないの?」




後ろからボソッと聞こえた低い声に
心拍数が上がって、緊張からか全身が熱くなった。




「えっ……あっ…あっ、そんなに寒くないかも」




何をそんなにテンパっているんだわたし…
いつもそう。
初対面の人と話すのは緊張してしまう。



「まじで?こんなさみぃのに…
あぁ〜………」



”あぁ〜”と言いながらわたしの足から顔までジーっとみた。





一瞬でわかった、その視線と'”あぁ〜”の意味。




「ひどぉぉ〜い‼︎」


さっきまでの倍以上出た声は公園内に響き、智也とゆうがこっちを向いた。

確かにわたしはスリム体型ではないし、りゅうって人みたいに細くないけど。
そんなあからさまに…

”あぁ〜脂肪があるから寒くないんだな”

って事でしょ??!



「ひどいひどい!この人ひどいぃ〜!
ゆう、智也〜聞いてぇ〜」


叫ぶわたしの後ろで、一瞬”フッ”って笑った声が聞こえた。



あっ。この人笑うんだ。


そう思った瞬間、なんだかすごく心が温かくなった。





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