イビツな花火〜my story〜
「この人初対面なのに失礼なんだけど〜わたしは脂肪がついてるから寒くなくていいね。みたいなこと言ってくる〜」




「バカ、言ってねぇよ!」




りゅうって人は立ち上がった。
その表情は最初より柔らかくなった気がする。




「言ってないだけで
そう思ってるじゃ〜ん…絶対そう!!」



初めて向かい合って、少し見上げたその顔はやっぱり綺麗で…
寂しそうな瞳に吸い込まれそうだった。



「すぐムキになるなよっ」



ふくれるわたしを見て
また一瞬だけ……
口端をあげ悪戯に笑うその笑顔が目に焼き付いた。




「今からデカイ花火やるから来いよ!」





智也達からの誘いを即断った。
そんな危険なものをやる時に近くになんて行けない。



「行かねぇの?」


りゅうって人の問いかけに大きく頷く。


「怖いもんっ」


「そっか。」


そう言ってりゅうって人は2人の元へ歩きだす。






「りゅう君…行かないで!」




気がついたら”りゅう君”の服の裾を掴んでいた。





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