イビツな花火〜my story〜
少し上に視線を向けると
りゅう君と目が合った。
やっぱり無表情のままでわたしは視線をそらしながら言う。




「面倒みてるって…どういうこ…と…」



勢いよくムキになって言いたいのに、
徐々に小さくなる声は
距離の取り方がわからないことを示している。





「お前ってさ………
いちいちおもしろいね」







お.も.し.ろ.い?




すこ〜しだけ荒々しい口調でりゅう君の横顔に投げかけた。




「おもしろいって、ど.どこがぁ?」




りゅう君はこっちを向いてわたしの顔をジッと見つめる。
照れてしまいそうなくらいジッと。



わずか0.5秒くらいなのにあまりにも長く感じたわたしはついまた自分から口を開いていた。




「ねぇ!顔?!顔がおもしろいって事?
ひどいよ!ひどいひどい〜」



フッってまた笑ったりゅう君は
わたしから顔を背けた。
まるで笑ったとこを見られたくないような感じに。




そしてすぐ真顔に戻って言った。



「そういうところ」



一瞬だけ優しく微笑んでくれた気がした。




「お前が花火やりたいって言ったの?」



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