イビツな花火〜my story〜
見上げた空は雲がいっぱいで
わたしの心の中みたい。



手に握りしめていた携帯の画面がわたしを照らす。


新着メッージ
みぃ*大丈夫?丸め込まれなかった?

麻耶*クレープおいしかったよ


写メ付きで届いたメッセージに自然と涙が溢れてきた。


わたし*丸め込まれそう。泣きそう。



それだけ送信してバックに携帯を押し込んだ。
バスに乗って30分、ようやく家の近くまでくると時刻は19時。



そういえばいつもそうだけど、こう君の家での滞在時間は1時間程度。
お弁当を配達して話を聞いてさよなら。



まぁそれも家の父が厳しくて、門限までに帰らなきゃものすごい爆弾が落ちるからなんだけど…。




門限までまだ時間があるのを確認して昨日の公園へ向かった。



悲しいとき、嫌なことがあったとき
いつもあの公園のブランコに乗りながら星を見上げる。
今日は曇りだから星は見えなさそうだけど。



地元の小さな公園だから、この時間は貸し切り…





の、はずなのに…
ポツリと人影がある。








え〜…
なんでぇ〜今日はとことんついてない。
ユーターンしようかな…
あの人は誰かと待ち合わせなのかな?男の子なのか女の子なのかもわからない。
月明かりもない夜…
こんな夜に公園で何してるんだろう?


それはわたしも同じなのに、
公園の入り口で立ち止まったまま完全にフリーズしてしまった。


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