イビツな花火〜my story〜
そう聞いてほしくてすすり泣いていたのに、いざ聞かれるとなんか困ってしまう。




「うん……まぁちょっと…。
そういえばりゅう君は…なんでこの公園に来たの?」



なぜか急に話をそらしたくなった。




りゅう君は空に向けていた視線を落として、わたしを見て言った。





「お前の逆」





「えっ……逆って?」




「お前はどうせ嫌なことがあったから来たんだろ?俺は……」




りゅう君はクルっと反対側を向いてわたしに背を向けた。



「俺は、良いことがありそうだったから来た」





ポツリ吐かれた言葉はりゅう君らしい曖昧なニュアンス。
わたしはそっとブランコを降りてりゅう君の隣に座ってみた。




「相変わらずよくわからない人。
それで、良いことはあったの?」



「微妙……」



……



少しの沈黙と
痛いくらい冷たい風が2人を包んだ。





「あっ!もしかして、告白とかしようとして好きな子を呼び出したとか?だったらわたし邪魔すぎるよね?!ごめ〜ん!」



急に頭が回転し始め、わたしは空気の読めない女なんじゃないかと思って立ち上がった。



あっ、でももしかして…
もう告白した後で微妙な返事だったとか?
わたしの妄想力は自分でも面倒くさくなるほどで…みぃや麻耶も呆れている。




りゅう君は顔を背けてフッって笑った後、真顔に戻って言った。


「んなわけねぇだろ。
別に…邪魔じゃないし。
お前って本当におもしろいね」







”亜由菜と話してても楽しくないけどさ、いい子だからさ。”




りゅう君の言葉を聞いて、フラッシュバックしたのはこう君の言葉。


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