イビツな花火〜my story〜
「面白くないよ…つまらない女だよ」




ため息を吐く用に出た言葉は
白い息と一緒にりゅう君へ流れた。




「初めて会った。お前みたいなよくわからない面白い女。」





「それ、こっちの台詞だから!」




りゅう君は少〜しだけ微笑んで空を見上げる。すぐ隣で見る横顔はやっぱりすごく綺麗で消えてしまいそうに感じた。





「昨日…振られたって言ったでしょ?
寄り戻そうって言われたんだ〜。
でもさ、理由がよくわからなくてね…一緒にいても楽しくないけど、いい子だからって。都合のいい子ってことかな?…
こっちは好きで付き合ってたのにさ、向こうは違ったみたい。」






気がつくとまた、ペラペラと自分のことを話していた。
りゅう君は空を見上げたまま。





「ちょっと!聞いてる〜?」




「聞いてるよ。」




「なんか言ってよぉ〜。へぇ〜。でもいいからさ!」



「へぇ〜。」



「ねぇ!そのままじゃん。」




「だってお前がへぇ〜でもいいって。」




「それにしたって、もっと言うことないの〜?」




りゅう君はちょっと間を空けて口を開いた。




「……寒くない?あっ…お前は寒くないんだった。」




「寒いです!凍えそうなほど寒いです!」




「ほら、やっぱり面白いよ。
そうやって何度もすぐムキになるところとか。」






りゅう君が、からかいながらも
そんな風に言ってくれて、少しだけいつもの自分を取り戻せた気がした。





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