イビツな花火〜my story〜
りゅう君の言葉が冷たい気がしてグサって刺さった。


やっぱりわたしは”つまらない女”。





下を向いたまま、うん…って頷いた。



「……こっからお前の家まで何分くらい?」




「……10分くらいかな…。」




「送ってくよ。その間で話せばよくね?親、心配してんだろ?」





顔を上げてもう既に立ち上がっている
りゅう君を見上げた。
冷たくなんかない。
これっぽっちも冷たくなんかなかった。





「…いいの?だってこの公園でなんかあるんじゃないの?」




りゅう君は公園の出口に向かって歩き始めた。




「早く帰らなきゃ怒られるよ!
ほら、来いよ!」





慌てて安全柵から立ち上がって、
小走りでりゅう君に駆け寄った。
なんだか照れくさくて俯いて、小さく微笑んでいた。




「りゅう君の家って、この辺なの?」



「あっち側に歩いて40分くらい!」



指が指された方向は家とは真逆で、
しかも40分って…。
こんな寒い中、40分もかけてこの公園になんの用があったのか。
未だに不思議で仕方ない…。




「遠すぎじゃない?!ここじゃなくても他にも公園あるからね!」



「引っ越してきたばっかだからよく知らねぇ〜。しかも公園に行きたいわけじゃないし…」



「てかさぁ、りゅう君こそ時間とか大丈夫なの?親うるさくないの?」




「親とは一緒に住んでない。」




”あいつ家庭環境悪いらしいよ”
ゆうと智也の言葉が頭をよぎった。
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