イビツな花火〜my story〜
少し気まずいまま。



いや…少しどころかすごく気まずい。
より戻すとか戻さないとか、りゅう君にとったらどうでもいい事を…
”より戻す気ないからね”
なんて、決まってもいない事を…


なぜ…なぜわたしは口に出したのぉ〜…。



無言のまま四歩五歩…




わたしって本当に本当に…
こう君の言う通りつまらない女なのかもしれない。
他の子だったら、普通の子だったら…
どんな風に話すんだろう。




「あっ…」



そう言って急に立ち止まったりゅう君は空を見上げた。





同じ様にわたしも空を見上げた。






舞い落ちてきた白い粉が二人の微妙な空気をふんわりと包んで変えていく。




「ゆーーきーー雪、雪〜‼︎」


この町に雪が降ることは珍しい事ではなくて毎年冬になれば当たり前の事。




それでもやっぱりはしゃいでしまう。




「雪ではしゃぐヤツ初めて見た。」




「えっ?!嘘!?雪嬉しくないの?」




「嬉しくねぇよ…寒いだけ…」




「こぉやってさ〜」


わたしは上を向いたまま口を開いた。



そんなわたしを見て、
ブッっと吹き出したりゅう君。


「お前何やってんの?!笑わせんなよ」



「笑うとこじゃないから〜!
こうやって口開けても、あんまり雪入ってこないって知ってた?」




「知らねぇよ‼︎」



「知らないの?!やってみて!
意外と雪入ってこないの♡」




「あははっ…バカだ本当…」



りゅう君が笑ってる。
お腹を抱えて笑ってる。



なんか嬉しくなってその姿を
じっと見つめてしまった。


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