ふたりだけのアクアリウム
茅子さんの目が輝く。
自分のことみたいに嬉しそうに、まるで女子高生がガールズトークするみたいに身を乗り出してきた。
「いっちゃん、恋してるんだね。なんて可愛いの〜!」
「もう少し可愛げが欲しいです」
「十分すぎるくらい可愛いから心配ないわよ」
「好きすぎて、顔を見るだけで息が苦しくなります。そんな自分がブサイクな顔になってないか心配でたまりません」
「あははっ、いっちゃん面白すぎ!ちなみに誰?私の知ってる人?」
するりと答えそうになって、言い詰まった私は表現を変えた。
「知ってるような、知らないような」
「え〜?どういう意味?」
「…………うまくいったら教えます」
茅子さんからは盛大なブーイングが聞こえてきたけど、それ以上は笑ってごまかした。
私が沖田さんにこの気持ちを伝えられる日は来るのかな。
彼が言っていた「好きな子」って、自惚れてもいいのかな。
早くあの柔らかそうな髪の毛に触りたいな━━━━━。