天使か悪魔か


手を伸ばし触れようとする。

瞬間

バシッ!

いきなり手を掴まれる。


「あはっ、やっと…捕まえたよ」



その言葉と同時に辺りの景色が変わる。


濃い鉄のような匂いがする…


これは、血の匂い?


前を見るとさっきまで座ってたはずの女の子は、私の手を掴んだまま目の前に立っている。

顔は伏せていてやはり見えない。


さっきまで白かったワンピースには所々に赤い…血のような跡がたくさん付いている。



「ねぇ、あなたは ーー



「あ………の……い」



………え?」

上手く聞き取れなかったけれど

女の子が小さく言葉を発した。
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