天使か悪魔か
ドコッ
バキッ
ドスッ
鈍い音が辺りに響き渡る。
こんな音がなけれは普通にデートみたいなんだけどな。
隣の桜吏をみてみると
「やっぱ世直しはいーね!
倒し甲斐のあるクズがたくさんだ!
とくに愛に寄ってくる男なんて
本当は殺してやりたいくらいだよ」
めちゃくちゃ楽しんでるし、何気怖い発言してる…
少し前。
桜吏と手を繋いで歩いていると案の定、男達が私たちを囲うように集まってきた。
「おい、そこの可愛いお姉ちゃん!
そんな彼氏なんかより俺達と遊ばない?」
リーダー格と思われる男がニヤニヤとキモい顔して近づいてくる。
「向こうにで楽しい事しよーぜ!」
私の手を掴んで歩き出そうとする。
「おい、ちょっと待てよ。
こいつは俺の彼女だ。気安く触ってんじゃねーよ」
すかさず桜吏が止めに入る。
それが気に入らなかったのかイライラし始める男達。
「あ?お前俺達に刃向かってどーなるか分かってんのか?
てかよ、フード被って顔隠してんじゃねーよ!
イラつくな…
何もできないガキは引っ込んでろ!」
そういって大きく振り上げた拳を桜吏目掛けて振り下ろす。