月明かりの子守唄
さかのぼること三か月前。桜が全て散りそうな四月のこと。
ただ偶然そこに居合せた。秘密を知ったきっかけはそれだけである。
部活に夢中になりすぎて、帰りが遅くなってしまった日のこと。日も沈み、辺りは暗闇に包まれていた。
早く帰らなければ。そう思っていたのに。通りかかった公園で変な物音がしたから、何事かと恐る恐る公園を覗き込んでみれば。
「だからやめておけと言ったのに」
どこかで聞いたような声。後ろ姿だから誰かまでは分からない。
平安時代にいた貴族の人が着ていそうな、白い……確か水干という名前だっただろうか。
そんな感じの白衣を着て、下は黒いズボンにブーツ姿。手には黒いグローブをはめていて。
キラキラと黒いショートヘアが煌めき、耳にも何か付けているのが分かった。
一言で言ってしまえば、異質に感じる。
ただ偶然そこに居合せた。秘密を知ったきっかけはそれだけである。
部活に夢中になりすぎて、帰りが遅くなってしまった日のこと。日も沈み、辺りは暗闇に包まれていた。
早く帰らなければ。そう思っていたのに。通りかかった公園で変な物音がしたから、何事かと恐る恐る公園を覗き込んでみれば。
「だからやめておけと言ったのに」
どこかで聞いたような声。後ろ姿だから誰かまでは分からない。
平安時代にいた貴族の人が着ていそうな、白い……確か水干という名前だっただろうか。
そんな感じの白衣を着て、下は黒いズボンにブーツ姿。手には黒いグローブをはめていて。
キラキラと黒いショートヘアが煌めき、耳にも何か付けているのが分かった。
一言で言ってしまえば、異質に感じる。