溺愛ボーイとツンデレガール
少女
ーーーーーーーガシャーンッ!!!!
薄く雲のかかった夜空の下、あるマンションの一室で、一人の少女が女に包丁を突きつけられていた。
その二人の格好は対照的で、
少女がボロ雑巾のようなくたびれた布を一枚着ているのに対し、女はまさしく、夜の女。
そんな言葉が相応しい、露出度の高いミニドレスを着ていた。
『ッ、!!、』
[ハァッ、ハァッ、逃げんじゃないわよ、
今まで散々私に苦労かけて、。親孝行だと思いなさいよ]
やめて、やめて、やめて、。。。、
[あんたなんか!!!!!
産まなきゃよかった!!!!!]
この女の言葉に。
少女の中の、何かが割れた。
パリンッーーーーーーーーーーーーー
[きゃぁぁぁぁぁああああ!!!???!!
あ、あんた、ちょっ、ちょっとなにしてるの??!!
や、やめて、こないで、こないでよ、。。。、]
女が持っていたはずの包丁は、今となっては少女が持っていて、少女が着ているボロ雑巾のようなくたびれた“布”は、赤く染まっている。
[ま、待って、こ、殺さないで、]
醜い女は、少女に切られた右腕をおさえながら、さっきまで少女に対し暴言を吐いていた者と同じとは思えないほど弱々しい声で、少女に懇願する。
しかし少女は、迷う間もなく、。