溺愛ﾎﾞｰｲとﾂﾝﾃﾞﾚｶﾞｰﾙ

ーーーーーーーーーーーーーｼｭｯ



ﾍﾞﾁｬｯーーーーーーーーーーーーー


さっきまで目の前で醜い姿を晒していた女はピクリとも動かず、首から血を流し、死んでいた。


そんな女を目の前に、少女は表情を変えず、

無表情だ。



少女の着ているボロ雑巾のようなくたびれた“布”は、赤く染めあげられている。


少女は、その場に包丁を投げ捨て、夜の街へと消えていったーーーーーーー、。



その次の日、マンションの一室で女の血塗れの死体が発見された。警察は、犯人を探したが見つけられなかった。
その女には、多額の借金があったため金銭トラブルの末、暴力団関係者に殺されたのではないかという答えを導き出し、多数の報道機関や雑誌などにも取り上げられた。




そんな中。


マンションの部屋からでてくる少女を見た、という管理人の証言があった。
血塗れの少女で、月の光に反射されてか、その少女の瞳は、。


赤かったという。

その事件の夜は、稀にみられる赤い月の日であった。