しずく
正直あたしはこんなに愛された事が無い、あたしを全てだと言ってくれる人に会った事はなかった。
いつも本を読み、憧れてた。あたしを全てだと言ってくれてあたしを支えてくれる人を。
そんな人がいる彼女がとても羨ましく思ったし、そんな人をつくっておいて先に逝ってしまう彼女はずるいと思った。

「美里ちゃん、雫のとこにいこっか」
田中さんが沈黙を破っていきなり言った。あたしはいきなりの事にビックリして口があいたままのマヌケな状態だった。
< 5 / 15 >

この作品をシェア

pagetop