しずく
あたし達はガラガラの電車に乗って田中さんの家へ向かった。
窓にあたる雨の音が気持ちよかった。
雨の音があったから沈黙も全然気まずくはならなかった。

30分ほど電車に乗ると駅のすぐ近くに田中さんのアパートがあった。
木造二階建ての小さなアパート、なんだか暖かい感じがした。

なんだか恥ずかしいな
って田中が小さく笑うから慌ててそんな事無いですよ、暖かくて田中さんみたいです。
って言ったらまた悲しそうな顔をして雫もそう言ってたよ
って言った。
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