サプライズ★フィナーレ
「なぁに? 二人して俺の悪口言ってたの?」


二人してって言いながら、目線は翼一人に向けている。

完全に"余計なこと言ってたな……"って、バレてる顔。

翼は、"めっそうもない"って顔して首振るけど、翔輝君は疑い眼……。

でもすぐに笑い出した。


「でも良かったよ。ほんと安心した。でもちょっと痩せたね……」


そう言って頬を擦るから、ドキッ…… 思わず言葉を失ってしまった。

今朝の翔を思い出し、とっさに目をそらしてしまう。


「こちらこそ、心配と迷惑掛けてごめんなさい」


「何言ってるの? 迷惑なんかじゃないよ。愛梨は、俺にとって大事な妹みたいなもんだから。俺こそ何も出来なくてごめんね。でも心配はしたよ。だけど俺の分も、翔が愛梨のそばにいたから安心してたよ。……本当にあいつ、愛梨を心から大切に思ってるって、よーくわかった。……翼が、惚れるくらいに」


そう言って翼に移した瞳には、僅かに嫉妬の炎が見え隠れしてる気がして、トキメキとは別物のドキッ……を感じた。

思わず翼を振り返ると、僅かに満足げな笑みを
浮かべながらも、私をチラ見してすぐ舌を出しておどけて見せた。
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