サプライズ★フィナーレ
「残念ながら、あいつはお前のこと絶対に迎えに来やしないぜ。あいつは…………」


翔は、鋭くも悲痛な目で黙り込んだ。
……あいつは何?


「知ってる。忘れられない人がいるんでしょ? だから誰とも付き合わない。翼にそう聞いてる」


翔は、僅かに眉をひそめるけれど、何も言わずに私から目をそらした。

もしかして翔、知らなかった?

……なんてことないよね。

そんなことより誤解……誤解を解かなきゃ。

でも私が、落ち着こうと努めている間に、翔はサッと身を翻し、私の呼び止めも完全無視して早歩きで行ってしまった。

……はぁ~っ、何でこうなるの?

翔こそ単細胞のくせに。






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