サプライズ★フィナーレ
……お腹空いた。
色鮮やかなグリーンの扉の前で、ぼんやりとエレベーターが降りて来るのを待ち、脳内オムライスに埋め尽くされていると、「チン!」軽快な到着音が、広いフロアに響き、目の前の扉が開かれた。
「……」
「よぉ、お前も外?」
思わず目を反らして、無言で頷く私。
何でいるかな……
六つもエレベーターあるのに。
エレベーターの開ボタンを押しながら声を掛けてきたのは、今一番会いたくない人。
今朝は、早く出掛けてくれて、顔合わせずにすんだから心底ホッとしたのに。
私は、昨夜の記憶と翔の温もりが甦り、思わず赤面してしまい慌てて俯いた。
それに翔が乗るエレベーターは、一階までに必ず満員になる上、女子が率先して乗り込むから香水臭くて嫌なの。
心の中で愚痴っている間に、私以外の人は全員乗り込み、扉の真ん前だけが、ポッカリ空いていた。
「早く乗れよ」
その言葉に女子の冷たい視線が、一斉に私に集中した。
……怖い。
断ろうと右手を上げると、その手首はグイッと引かれて抱き止められ、冷たい視線は更に強まったに違いない。
色鮮やかなグリーンの扉の前で、ぼんやりとエレベーターが降りて来るのを待ち、脳内オムライスに埋め尽くされていると、「チン!」軽快な到着音が、広いフロアに響き、目の前の扉が開かれた。
「……」
「よぉ、お前も外?」
思わず目を反らして、無言で頷く私。
何でいるかな……
六つもエレベーターあるのに。
エレベーターの開ボタンを押しながら声を掛けてきたのは、今一番会いたくない人。
今朝は、早く出掛けてくれて、顔合わせずにすんだから心底ホッとしたのに。
私は、昨夜の記憶と翔の温もりが甦り、思わず赤面してしまい慌てて俯いた。
それに翔が乗るエレベーターは、一階までに必ず満員になる上、女子が率先して乗り込むから香水臭くて嫌なの。
心の中で愚痴っている間に、私以外の人は全員乗り込み、扉の真ん前だけが、ポッカリ空いていた。
「早く乗れよ」
その言葉に女子の冷たい視線が、一斉に私に集中した。
……怖い。
断ろうと右手を上げると、その手首はグイッと引かれて抱き止められ、冷たい視線は更に強まったに違いない。