サプライズ★フィナーレ
「……あれ? ノーリアクション? つまんね」


そして、すぐに解放。

会社で翔と極力絡みたくない私は、最近ノーリアクションが最善策と悟っていた。

それでも会うたび絡んでくる翔。


「昔は、素直で可愛かったのに」


耳タコ!

チラッとプチ睨み返すと、またニヤリ……
嫌な予感第二弾。


「でも根は素直なエリは、必死にポーカーフェイス決め込む以外、駄々漏れだからな。か~わいい」


バレてる……
さすが翔! じゃなくて悔しい!

早く翔から遠ざかりたい。

そう思うと同時に、小気味良い音と共に扉が開いた。

私は、ホッとしながら大股で足を踏み出すと、なぜか床が濡れていて大胆に滑ってしまう。

キャー! 転ぶー!

……ばなかった。

翔が、間一髪のところで抱き止めてくれたから。
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