サプライズ★フィナーレ
「そのことは、もういいです。帰り道にこの前を通ったらまだ明るかったから、昼間にお騒がせしたお詫びをと思っただけです。何度もアポなしで押し掛けてごめんなさい。あの頃から翔さんがレディース手掛けるの、ずっと待ち続けていたんです。……あれ以来、一度も作ってくれないから」


「……」


あれ以来って何?

彼女に服作ったことあるの?

私は、無意識に後ろから翔のシャツの裾を掴んだらしく、翔が私を振り返った。

でも翔は、何も言ってくれない。

翔が、私以外の子にデザインしたなんて、初めて聞いた。

私以外の女子にはないって、勝手に思い込んでいた。

本当に? 本当に彼女にデザインしたの?

……まさか、二人付き合っていたの?


「申し訳ないけど、こいつ送ってかなきゃいけないんで」


声のトーンから、とても苛立っているのがわかる。

明らかに私に知られたくなかったとも。

それは、私に都合悪いこと隠しているから?
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