サプライズ★フィナーレ
切、切り替え早すぎない?

つい五分程前まで、あの人がいたのに……
つい目をそらしてしまう。

でも何度かチラ見すると、翔はそんな私の心の声を、まるで聞いていたように視線を上にずらし、あからさまな溜め息を吐いてみせた。


「あんの女……一度ならず二度までも超イイところで……もう絶対あいつになんか作らねえ」


思いっきり私情挟んでるから、つい笑ってしまった。

すぐに睨まれるけど、ここんとこ翔らしくない姿がやけに新鮮。

だって私が絡んでの姿と思うと、優越感で顔がユルユルになってしまうの。


「でも依頼されたらデザインしなきゃね。プロは、仕事に私情持ち込んだりしないんでしょ?」


私の声に、翔はまた溜め息……
また両手をポケットに突っ込むと横の作業用の机に座り、クスクス笑いしてる私をふてくされ顔で見上げるから、ますます可笑しくて仕方ない。


「わかってる。笑うな! ……本題に戻す。お前から誘ったよな? ……オイ……コラ……なんとか言えっ」


さ、誘う!?

そういうつもりでは……。
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