サプライズ★フィナーレ
また翔から目をそらし泳がせていると、翔は失笑しながら誰かに電話を始めた。

まさかお父さん!?

ではなく、タクシーでホッと一息。

でも送ってくれないんだ……
本当に忙しいのね。


「エリ、俺を弄んだ罪は大きいからな。超倍返し! してやる。覚悟しときな」


超怖い……。

不敵な笑みを浮かべてドアから出て行くと思ったら急に立ち止まり、後ろに続いていた私は、背中に顔を突っ込んでしまう。


「ダッセ」


「……酷っ」


翔は、鼻と口を押さえる私を、屈んで目の前から勝ち誇ったように覗き込んできた。

なんてムカつく顔……。

私が口を尖らせて睨むと、翔は頭に手をのせて必殺スマイル見せるから、つい見惚れて痛みもふっとんでしまいそうになる。

照れ顔も萌えるけど、この爽やかさも堪らないほど素敵。

でも仕事に打ち込む真剣な顔もカッコイイし、家でのリラックスモードも可愛いい。

俺様な生意気顔も、実は好きだったりする。
結局どんな翔も大好きなわけで、悔しい以上に嬉しくて堪らなくなる。

だって翔の素顔を誰より知ってるのは、絶対に私だから。
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