サプライズ★フィナーレ
「翔さんは?」


「……仕事があるから断ったんです。物凄く多忙みたいで。まだ話がしたいなら、来週にした方がいいですよ」


彼女は、無表情で無言のまま私を見つめ続けた後、その大きな瞳は、静かに緩かに険のあるものに変わっていった。

それは、まるで恐ろしい般若が微笑んだようにさえ見えた。

……恐い……早く逃げなきゃ。

私は、軽く会釈して足を速めるけれど、彼女は私の前に一歩踏み出しそれを阻んだ。


「まさか翔さんと結婚する気ですか?」


一瞬迷いながらも控えめに頷くと、彼女は刺すような目で私を見た後、バカにしたように鼻で笑い返した。


「あなた翔さんのブランド汚す気?」


……汚す?

どういう意味?
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