サプライズ★フィナーレ

嶋崎あゆなは、テレビでのおっとりした話し方とは正反対の早口で爆発的に語り続けた。

それは、まるで活火山が内に溜め込んでいた凄まじいエネルギーを、一気に爆発させたように見えた。

その後、しばらく生気のない私を完全に敵視した顔付きで見続けてから、クルッとターンしてヒールをカツカツ鋭く鳴らし、夜の妖しい赤い光の中へと早足で消えて行った。

私は、あまりの彼女の勢いと言葉に打ちのめされ、何一つ言い返せずにいた。

彼女から噴き出した妖しげな赤い溶岩のような熱感情に完全に巻き込まれ、漆黒の樹海へと引きずり込まれて行くような気分で、彼女の後ろ姿をぼんやり見送るだけで精一杯だった。

そして彼女が消え去った後、漆黒の闇に一人きり、絶望の世界をさ迷い始めたのだった。