サプライズ★フィナーレ
そう言って目をそらすけど、誰が見ても納得してないって丸わかりの顔が、愛しくて堪らなくなる。

思えば、あの後からかも……
翔が、私と距離を置くようになったのは。


「あれ見てさ、もう完璧お前は、俺のもんじゃない……一生俺だけのものにはならないって実感した。地獄に叩き落とされた気分でさ。もうお前を避ける以外、どうしようもなかった。マジ、おかしくなり……って、こんなダセーこと言わせやがってムカつく。最近、俺のが超素直じゃね? 何でか言っちまうのは、長年本心隠してきた反動か……? ったく、俺らしくねー。マジ大した女だ、エリは。……くそっ! ムカつくから、もう一回kissしろ。超激しいの。それでチャラにしてやる」


久々なかなかの俺様節に、思わず笑ってしまう。

もう俺様キャラの道歩み出してから、早……八年くらい?

すっかり板についた御様子。

でもどんな翔も大好きだから……。

翔は、遠慮がちに笑う私を鋭い目で睨むけど、今はもう知ってる。

その瞳の奥からは、私への愛が絶え間無く流れ出し、私を包んでくれていること。

だからそんな顔しても無駄なんだから。
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