サプライズ★フィナーレ
「私は、年々翔のこと分からなくなってくけどね」


飽きれ眼でそう返してやると、翔は立ち上がり鼻で笑って切り返す顔付き。


「俺みたいに世界で戦うスケールのデカイ男を、お前みたいな凡人が理解しようなんて到底無理じゃね? 灰かぶり姫」


悔しいけど納得……
それ以上になんだか凄く寂しくなってしまい、つい素直に口走ってしまう。


「……いつも二人でいたのに、いつの間にか背中も見えないくらいずっとずっと先を歩いてる。……もう絶対追い付けないほどに」


「……」


ハッとして見上げると、翔は食い入るように私を見つめていた。

やだ、つい本音が……。

私は、動揺しながら目を反らし、逃げるように
入口へと歩き出すのだった。
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