サプライズ★フィナーレ
「……翼は?」


「納得してるよ。『初めから愛梨なら良かったね』って言われたよ。俺もそう思うし、さっきの翔見てて心底思ったんだ。俺の方が、きっと……いや、絶対に愛梨を幸せに出来るって。逆に翼には、翔のが合ってるかもって……。大切にするよ。絶対泣かせたりしない。翔よりも必ず幸せにしてみせるよ」


翔輝君は、強い意志を瞳と言葉に詰めて私をじっと見つめるけれど、私はすぐに目をそらしてしまった。

……信じられない。

二人が別れたことも、翔としか思えない目の前の姿が、翔輝君であることも。

そして人の気持ちって、こんな簡単に変わるものなの?

翼と別れたからって、すぐ私と?

それが何よりも一番信じられなかった。

翔輝君の本心とも思えなかった。

最後に二人一緒に見たのは、確か三日前のランチ。

二人いつもどおり、幸せそのものに見えたのに。


「ゆっくり考えてみて」


翔輝君は、私の頭を優しく撫でて立ち上がり、真っ直ぐ前方のドアへと向かって行った。

そしてドアを開けると誰かいたらしく、一瞬足を止め私をチラ見して出て行った。
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