サプライズ★フィナーレ
一人でランチ後オフィスに戻ると、まだ翼は、戻ってきていない。

……あ!
今日は、ファッション雑誌の撮影で直帰だっけ。
一緒に食べて帰りたかったのに。

ガッカリして溜め息付いたその時、ノック音が、二度聞こえてきた。

返事をすると勢いよくドアが開き、ひょこっと翔輝君が顔を出した。


「お疲れ様、愛梨」


「お疲れ様です」


春を飛び越え、夏空にピッタリの白い麻のシャツとブルージーンズ姿で、笑顔を見せる翔輝君。
最高に爽やかでカッコイイ!

でも珍しい、ラフな格好なんて。

翔は、いつもラフすぎるけど。

驚くことに、なんと翔と翔輝君は、全く血の繋がりがないのに、一卵性双生児のようにソックリ!!

イタリアで初めて会った時、完全に翔と間違えて、いきなり怒ったことは、今でも穴があれば入りたくなる思い出なの。

あまりにソックリすぎて、誰もが双子と信じて止まない日々。

しかも誕生日は、一日違いというミラクル。
互いの両親は、驚きのあまり爆笑!

そしてすぐに意気投合してしまった。

私と翼も同様に、誕生日が一日違いの同い年というWミラクルだったから、すぐに仲良しに。

でも翔と翔輝君は、実に複雑かつ冷静な顔して
まるで事情聴取をし合っているようだった。

彼らにしてみれば、まるでドッペルゲンガーが、現れた気分だったのかもね。
< 49 / 558 >

この作品をシェア

pagetop