サプライズ★フィナーレ
「本気で私とって思ってないから。翔を思い出させることばかり言うし、本気感全く感じない」


「……じゃあ、本気になるよ? ……愛梨の部屋行こう」


彼は、突き止められたような目をしてそらしたけど、すぐにグッと目に力を込め私を見た。
ドキン!!!

その表情は、まさに翔そのもの。

やめて……そんな顔で見つめないで……心奪われそう。

翔じゃないとわかってても、甘えてしまいたくなる。


「なんてね。……ゆっくりでいいよ。嫌ってほど一途なの知ってる」


見慣れた微笑み浮かべて片付け出す翔輝君に、ホッとする反面、引きの早さに物足りなさ感じる。

時に身勝手なほど強引でも、嘘偽りない瞳から燃え盛る炎のような愛を、この世の誰よりもストレートにぶつけてきた翔とは正反対。

この先、翔との熱く甘い記憶を全て焼き付くす誰かが現れるとは、到底思えなかった。

翔輝君に愛されれば、全てが満たされ私の未来は薔薇色なんて、都合のいい幻想だったの?

それでも今は、そばに居てほしい。

翔輝君だけが、今の私の希望の光なのだから。
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