サプライズ★フィナーレ
そして窓際の席に着いての注文後、翔はすぐ話始めた。

それは、予想に反し仕事の話で、有名な全国規模の結婚式場のイメージモデルの件だった。


「お前、ブライダルモデルになりたかったんだろ? 何で黙ってたんだよ」


「……単なる憧れ」


翔輝君ね……凄い疑い眼。


「……今は、好きな人の為だけに着たいから」


「……」


食い入るように見つめられ、また頬を赤らめる
私は、焦って両手で頬を隠し俯いた。


「だからいい、断って」


「了解。……可愛いじゃん、超……」


久しく見られなかった優しい瞳に、瞬時に泣きたくなる私は、慌てて席を外す。

……ずっと翔の為に着たかった。

けど諦めるしかなかった。

でも奇跡が微笑み、翔との未来を夢見たとたん、儚き夢となり消えてしまった。

そう……
こんな残酷な夢なら、見ない方がよかった。

よかったのに。









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