サプライズ★フィナーレ
……誰かが寝ている私の髪を、優しく撫でてくれる。

その暖かな手のひらには、愛しさが溢れていて、久々に愛に満たされた気分になる。


「翔……」


無意識に唇から発し、ゆっくりと瞼を開けると、頭上の壁に設置された柔らかな間接照明に照らされ、すぐ近くから覗く誰よりも輝く恋しい瞳……。

それは、驚き眼で見つめている。

……翔輝君? ……翔の手と思った。


「ごめん、寝ちゃった」


「全然だよ。けどコアラ生活し放題のくせに」


「……翔みたいなこと言って。性格まで似てきた?」


……怒った?

急に黙り込み、何やら袋から取り出している。


「よく寝てたから、テイクアウトしてきた。これ好きだよね?」


「わぁ、大好き」


私の好きなオーダーサンドイッチとポテトサラダ。

……翔に聞いたの?
< 506 / 558 >

この作品をシェア

pagetop