サプライズ★フィナーレ
そんな翔と私の間には、数年前からある約束が交わされている。

それは、誕生日には互いに願いを叶えるというもの。

有りがたいことに欲しい物は、ほぼ何でも手に入れられる私達。

互いにそんな物欲もないしね。

確か十九歳の誕生日に翔が提案してきて、倫理に反すること以外は、必ず叶えることになった。
有効期限は、一年間。

その頃、翔にほとんど口を聞いてもらえず途方に暮れていた私は、翔と前のように話せるきっかけになればと、藁にもすがる思いで応じた。

それが、悪夢の日々の始まりとは知らずに……。
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