サプライズ★フィナーレ
「愛梨お疲れ様」


「翔輝君もお疲れ様。……終わったね」


「うん、凄く綺麗に撮れてたね。翔もめちゃくちゃノッてた。……最後に最高の愛梨を撮るって言ってたからね」


無言で視線を向ける先には、副社長さんと談笑する翔の姿。

そんな翔を見つめる暖かい瞳は、家族愛に満ちている。


「最後?」


「仕事でって意味ね。仕事だって愛梨でなきゃ絶対に受けてないよ。実はさ、凌君……副社長が翔に天然水に合うピュアなイメージのモデル知らない? って聞いたんだ。で、愛梨の写真や動画見せたら即気に入った。でもきっと愛梨は、尻込みして絶対断る。苦肉の策で叩き台作戦実行、無事大成功に至ったというわけ。初めから愛梨の起用、決まってたんだよ」


翔の奴、そんなこと言ってなかった。

本命にフラれて時間もないから、仕方なく私のを採用したって言ってた。

私が、翔をプチ睨みすると、翔輝君は私の耳元に唇を近付けてきた。
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