サプライズ★フィナーレ
サプライズ
翌日もフラワータウンの空は、突き抜けるような青さを見せてくれた。

遅めの朝食後、寝室のバルコニーで優しい風に吹かれながら、甘い香りと誇らしげに咲き誇る花達に癒され極上タイムを満喫。

きっと天も風の精も花の精も、私を祝福してくれている。

そんな幸せ絶頂の私を、後ろから抱き締めるのは、もちろん翔……?


「翔輝君!?」


「さすが! ……聞いたよ、おめでとう。そしてごめん、騙して。でも愛梨は、絶対気付くと信じてたよ。翔も手離せるはずないってね。ちょい荒療治だったけど、二人の絆信じてた」


まんまと手のひらで、転がされてたの?

覗き込む翔輝君を見上げると、ニッコリ。


「翔さ、『翼と別れてエリと結婚しろ』って言ってきたんだよ。片割れの俺以外託せないって。無理に決まってるのにね~。けどあまりの懇願ぶりに、翼と一肌脱ぐことにしたんだ。……俺が、サニーで愛梨誘った時の顔、マジ刺し殺されるかと思ったよ。絶対一人になれないって思ったもん。最後には、俺と入れ替われって言い出すし、もう好きや愛してるって次元越えてるよね。愛梨の為なら例え火の中水の中、高層ビルからでも喜んで飛び下りるよ。あんな超面倒な奴、愛梨しか扱えない。……愛梨、一生我が弟をよろしくお願いします。翼も夕方には、来るよ。凄く喜んでた。あ、後ごめん。翔の部屋の前で翼に泊まれって言ったの俺。愛梨に"誰にも渡さない!"って火を付けたくてさ」


そう言って、爽やかな笑顔を見せる翔輝君につられ、私も笑顔を見せるけど……。




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