サプライズ★フィナーレ
「おい……オフィスで、白昼堂々口説いてんじゃねーよ」


「……やっぱりね。気配感じてた。じゃあね」


翔輝君は、どや顔でそう言うと、笑って手を振りながら部屋を出て行く。

翔は、そんな彼をジロッと見て、ドアを押さえたまま見送った。

そしてそれを見ながら、笑いを押し殺してる私に気付くと、今度は私を睨み、ドカッとソファーに腰を下ろした。

そして無言でテーブルにスマホを無造作に置き、顎で" 見ろ " そう指示するから、窓際から翔の前のソファーに座った。

……あ、この映画……。


「今夜七時。飯の場所は、後でLINEする。その後に観に行くから」


今夜? 月曜なのに……。

どうせ言ってもスルーだから、言わないけど。


「珍しい……ラブストーリーなんて」


「……お前、観たいんだろ? ……反応してた」


もしかして、昨日テレビ観ながら?

気付いてくれたの?

……嬉しい。


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